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特別講義 高橋みどり氏


11月15日(金)にフードスタイリストの高橋みどり氏をお招きし特別講義をして頂きました。今回のレクチャーは、いつものレクチャーとは違い、事前に学生から質問を受付け、その質問を元に高橋氏にお答えいただくという質疑応答形式でのレクチャーでした。

フードスタイリストという職業は、聞き慣れない言葉です。一体どのような活動を高橋氏はしているのでしょう。そして、高橋氏の器や食へのこだわりとはなんでしょうか。

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高橋みどり氏は、1957年東京生まれました。女子美術大学短期代学部で陶芸を専攻後、テキスタイルを学び、大橋歩事務所のフタッフ、ケータリングの活動を経て、1987年にフリーになり、主に料理本のスタイリングを手がけています。著書に『うちの器』、『伝言レシピ』、『ヨーガンレールの献立日記』、『私の好きな料理の本』他、多数。

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レクチャーには、外部からもたくさんの方にお越しいただきました。高橋氏のスタイリングへの関心の高さを伺えます。レクチャーの始めに高橋さんのフードスタイリストに至った経緯を教えてくれました。大学の受験の時のことまで遡ってお話してくださいました。そこで、フードスタイリストになった大きなきっかけになったのが、イラストレーターの大橋歩さんの事務所で働いていた時のことでした。この事務所では、30歳になると独り立ちするという決まりがあるそうです。30歳でなにをやりたいか考えるということが課せられます。そこで改めて自分が人より得意とするものはなにかということを考えたそうです。高橋さんは、"食いしん坊であること"をあげました。そこから高橋さんが当時よく通っていた食べ物屋さんの方とケータリングを始めたそうです。雑誌などがもともと好きだった高橋さんはグラフィック業界の会社でお仕事をされていましたが、その後、独立してフードスタイリストとしてご活躍されています。

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高橋さんの講義を聞いていて印象的だった言葉が、"好き"ということが全ての基本だということでした。学生の質問のなかで、100円均一や山崎パンの春まつりの白いお皿はどう思いますかという質問があった時に、高橋さんは"無理には買ったり、応募したりしませんが、好きだったら欲しいかもしれませんが..."とおっしゃっていました。高橋さんの日常生活の中で使用している器も自分だったらこれは必要かなとか好きだなというものを集めていると言っていました。古いもの、新しいもの、外国製、日本製、作家のネームバリューなどを超えて高橋さんの感性で良いものを提案していきたいというこだわりがレクチャーの中からとても強く感じました。

その中で、自分らしさを求めるにはやはり続けることが大切だということを言っていました。その継続する中で経験値があがり、自分がしていることへの自信に繋がるそうです。"自分らしさ"つまり"オリジナルとは"という質問では、今出来る自分らしいことや自分が出来ることをすることだとおっしゃっていました。また、自分の中での自分がやっていることへの納得することが大切だとともおっしゃっていました。

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例えば、スタイリングする時にテーブルクロスをパリっとした皺が一つもないものにしたいと周囲の人が提案した時に、高橋さんはどうしても洗いざらしの皺の感じがスタイリングする上で必要だと思い、その意見を貫いたそうです。時には木のテーブルもきれいなものではなく使い古したしみのついたテーブルの方が日常感が出る。そういうところに強いプロのこだわりを感じました。

テーブルクロスにもこの料理人の作るこの料理には、この器が合う、そしてこのテキスタイルの模様でこの色の布が合うと高橋さん独自の表現で説明してくださいました。私の中で、高橋さんの言葉、特に使われている形容詞は印象的でした。

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レクチャーの中では、中神先生の旦那さんでもあるPeter Ivy氏と高橋さんがコラボレーションをしているKOBOの器も紹介してくださいました。Peterさんはパッリとしたラインの薄々のガラスの器を制作しているイメージが強いのですが、高橋さんはそこに日常で使うにはもう少しリラックスをしたラインがいいのではないかなどを提案してお二人でKOBOを作り上げていっています。今後の展開がとても楽しみです。

高橋さんの旦那さんは、吉田昌太郎さんという方です。タミゼというアンティークのお店を東京と栃木県黒磯で営んでいます。吉田さんのお話もレクチャーの中ででてきました。私もwebsiteを拝見しただけですが、とても素敵なお店です。興味のある方は是非、足を運んでみてください。

高橋さんにとって、器は使って使って使い回して、その器のことを知るそうです。高橋さんのレクチャーを聞いているととても感覚を大切にされてフードスタイリストの仕事をされているように感じました。これからたくさん本の出版を抱えているそうですが、最初の方にも書きましたが、古いもの、新しいもの、外国製、日本製、作家のネームバリューなどを超えた高橋さんの感性で見いだされた"わたしにとっての器、目に見えない器"を提案していきたいとおっしゃっていました。高橋さんのレクチャーからは、"好きが全ての基本"そして"こだわり"、"自分らしさとは"というのが強く心に残りました。これは、これからどういう形であれクリエイティブな活動をしていく学生には大きく心に響いたのではないでしょうか。高橋さん、遠方からどうもありがとうございました。(R)


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