先週のラダ先生のミニワークショップ、皆さん楽しかったですね!
そしてなんと、続いてキルン作家の近岡令さんが3日間のワークショップをしてくれるんです!
奥様でアシスタントも務めるあけみさんにも来て頂きました!

現在武蔵野美術大学で非常勤講師をされながらガラス工房STUDIO POSIを主宰されています。
キルンワークの中でも主にフュージング/スランピング技法の第一人者で、ご自身著作による技法書が出版されたばかり。
近岡さんがガラスを始めた頃はなかなか良い日本語の技法書が少なく苦労した経験から、本を出すことが夢だったそうです。
今回は出来たてホヤホヤの本を持ってきて下さいました。近岡さんの作品・STUDIO POSI作品の実際の工程まで、
「公開しちゃっていいの?」て言うぐらい色々書いてあります。初心者の人から、経験者の人まで楽しめる内容。
学生からも欲しいという声が!今回はなんと、そのSTUDIO POSIで使われているテクニックややり方も全部見せてくれる!
そう、スタジオポジのメソッド大公開なんです!
今回はブルズアイ社(アメリカのガラスメーカー)製の板ガラスをメインに、学生も実際に制作をします。色数の豊富さに学生達から歓声が!
1つ1つの道具の使い方から丁寧に教えて下さいました!以外と板ガラスをキレイにカットするの難しいんですよね。
作品もたくさん持ってきてくれました!!実際に触らせて貰えて、皆興味津々な様子。
こちらは今回使用する陶の素焼き製の型。これもSTUDIO POSIの物を貸してもらえることに。
緑色のガラスはテストで事前にスランプされたもの。本当にたくさんの準備をしてきて頂いています!
材料の事から温度管理の事まで丁寧な解説に、学生に混じって教員もメモを取らせてもらってます。
さあ午前中のレクチャーが終わり実際にガラスをカットして制作していきます。まずはどんな仕上がりにするかデザインを考えます。
板ガラスを正確に、あるいは細くカットするのは難しいのですが、流石は富山の学生。まずまず上手くいっている様子。
ものすごく細くて長く切れている!と思ったら助手のIさんでした。「お箸みたいに細い〜。」
おっと、こちらはムー○ンにどことなく似ている?こんな風に板ガラスを欲しい形に切って並べます。
そしてカットしたガラス同士を電気炉(窯)の中で、熱を加えてくっつけます。それがフュージング(溶着)なんですね。
今回はフュージングさせて一枚の板状にした後、もう一度電気炉の中で熱を加えて柔らかくし、型に沿わせて曲げるスランピングという技法も行います。第1回目の窯入れフュージング。色んな模様やパターンが出てきました!おやどこかで見たことあるマークも!?
夕方もいよいよ大詰め。電気炉にガラスをセットする際の方法や汚れに対する注意点などを説明てくれています。
実際に工房の商品や作品を作る時には、人の手に渡る事を前提に作られているので細心の注意が払われています。
プロの作家のやり方。いや〜これは、皆、絶対メモとった方が良いよ!
電気炉の中にセットしました!黒い波線はニクロム線(ヒーター線)です。この線に電気を流すと発熱して、
炉内を高温にすることが出来るんです。超強力なオーブントースターを想像してもらえると分かりやすいかも。
そして無事にRUN(窯の焼成プログラムをスタート)できました。今日一日で材料・道具の説明から、カットの指導、
そして実際の制作。と駆け足で、ものすごく濃い内容の一日でした!初めての人が3日間の短い時間でフュージングし、
スランピングまで行うのは普通無理なのですが、近岡さんの指導の仕方と、準備や計画のおかげでできるんです!すごい!
まずは明日、作品を窯出しして、どんな風なっているか。とても楽しみです!(T)