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学校ブログ [ 2013年5月 ] アーカイブ

造形科2年生のホットワークの授業は、アメリカ人のショーン先生が担当しています。毎年、いろいろな課題を学生のために用意して下さっています。

まずは、1つ目の課題!。"円錐、球、円柱など基本形から発展させた形を自分でデザインして、それをホットワークで作る"という課題です。意外とシンプルな形ほど実際にホットワークでつくるのが難しいですよね。形によっては、かなり苦戦していた人もいましたね。しかも、短期間での課題でしたのでなおさら大変だったのではないでしょうか。でも、そういう試行錯誤したり、失敗しながら学んでいくというのは、とても大切なのです。その試行錯誤している過程でのいろいろな技法や形に新しい発見がころがっているのです。それを思うと古代のガラスってすごいですよね。今では当たり前のガラスの技法も最初は誰も作り方を知らなかったのです。試行錯誤そして失敗する中で、新しい技法や表現が生まれたのではないでしょうか。

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左は作品の一例です。試行錯誤の軌跡が見えますね。ドローイングを見ると一見作るのが難しくなさそうですが、実はとても難しいのです。制作する過程で、いろんな事にチャレンジして、たくさんのことを学んだのではないでしょうか。例えば、穴を開けたり、長く吹いて折り曲げたり、ポンテの種類も変えてみたり、道具も変えてみたり...。最後には、ドローイングに近い形に仕上がったのではないでしょうか。努力の結晶ですね。




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作り方が分からない時は、頭を抱えてばかりではなにも始まりません。時には、遊びながらものを考えると発想の転換が出来、意外に良い考えが浮かぶものです。ショーン先生もショーン先生の作品スライドレクチャーの時にものを考える時に、"Play"は大切だよねと言っていましたよね。
右の作品は、それが良く表れているのではないでしょうか。失敗しても楽しんで制作していました。この中で、偶然見つけたガラスの表現が実は今後の作品のテーマになるかもしれませんね。









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この左の作品は、こだわりを見つけられた作品だったのではないでしょうか。ドローイングからは作り方がすぐに思いついたようでしたが、いろいろ細かいところまで気を配り、どうすれば自分の一番作りたい形に出来るか、方法を変えて制作していました。一つのうまくいく技法が見つけられても、さらに他になにができるかチャレンジするのはとても大切だと思います。そのチャレンジ精神で最初は思いつかなかった新しいガラスの表現が見つけられたのではないでしょうか。







さて、すでに2年生は2つ目の課題の真っ最中です。2つ目の課題は、吹きガラスには重要な"連続性"をテーマにした課題。連続性を表したビジュアルプレゼン、チームごとに決めたデザインの作品を30分未満でみんなの前でデモンストレーションすること、そしてその作品自体を講評で発表してもらいます。"連続性"と聞くと"なんのこと?"とよく分からないかもしれませんが、ガラスの量、ヒートの回数、アシストのタイミングなど吹きガラスにはいつも同じ(連続した)要素がたくさんあります。例えば、ゴブレットなどの制作時にマエストロはアシスタントに指示を出さなくても、アシスタントは絶妙なタイミングでガラスの種を持ってきたり、他のアシストを先読みします。それは、マエストロの動きや制作工程に連続性があるからです。他にも同じものをいくつも作るプロダクションを制作する場合"連続性"というのはとても重要な吹きガラスの要素となりますよね。講評は、春のWSの後です!。私も今からみんなが30分未満でどんなものを作るのか楽しみです。みんなの制作過程を少しご紹介します。

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このチームはなにやら真剣に話し合い...。















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ちょっと覗いてみると、制作工程の確認ですね。みんなで確認することで、制作の流れがスムーズになりますね。大切なことです。














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このチームは、大きなベルジャーを30分未満で制作すべく試行錯誤中です。大きいものほどお互いがコミュニケーションをよくとって効率良く作業を進めることが重要ですね。何回も焼き直していたら、ガラスは冷えるし、体力も消耗してしまいます。溶解炉から巻いてきたガラスの熱をどうやってうまく使っていくか、学ぶことはまだまだたくさんありますね。竿回しや大きなガラス巻きなど以前は出来なかった作業も今ではみんな出来るようになっています。このままいくと30分の壁も乗り越えられるのでないでしょうか。練習あるのみ!。頑張れ!。







明日は、講評前の最後の授業です。みんな頑張れ!!!。 (R)

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今年度第1回目の特別講義は、漆工芸作家の橋本千毅氏です。弊校で漆工芸作家の方の特別講義は初めてで、みんな楽しみにしていました。いつもみんなは学校でガラスには触れていますが、漆とはどのような素材なのでしょうか。

橋本千毅氏は、東京に生まれ関東地方で育ちましたが、現在は富山市岩瀬在住で工房も岩瀬にあります。蒔絵や螺鈿を中心とした作品を、独自のスタイルで制作されています。

橋本氏の経歴は、多彩です。漆工芸作家になる前には、建築事務所で図面をひいたり、大学で漆の素材や歴史を研究、さらには文化財修復にも携わっておられたりといろいろな経験の持ち主の方です。

建築の図面をひくなど一見、漆工芸とは全く関係なさそうな分野ですが、現在の橋本氏の作品制作にとても役に立っているとお話されていました。そういうところから独自のスタイルが生み出されるのだと感じました。


橋本氏のレクチャーは、まず漆という素材についてから始まりました。

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実は、漆はみなさんの周りに沢山生息しているそうです。簡単に見つけることが出来るそうです。













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漆の幹を掻いて、樹液を採るそうです。漆は沢山生息していても、あまり漆を掻く職人さんがいないそうです。そして、漆は樹液を1回採るともうその木からは樹液が採取出来ないそうです。そう考えるとどれだけ貴重な存在か分かりますよね。










漆の他に漆工芸の大切な素材の貝の説明もして頂きました。

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こちらは特大(15〜20cm)のアワビの貝殻です。これがとても貴重なのです。アワビの貝殻は、天然のものしか使用しないそうです。そして、10000個の内、実際に橋本氏の作品に使用できるのは、なんと10個のみです。素材自体がとても貴重な上に、同じ素材には二度と会う事が出来ないのです。









続いては、漆工芸作品のための道具についてです。

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橋本氏は、漆工芸に使用する道具は基本的にはご自分で作るそうです。道具がないから作れないのではなく、自分で道具をつくるところから制作は始まっているんですね。
写真の一番右の筆は、なんと人毛刷毛です。人毛というのは、同じ太さの鋼よりも丈夫だそうです。この刷毛は柄の部分の最後まで毛が入っており、毛先がちびたら自分で削って刷毛を再生させるそうです。左の細い筆は、橋本氏の自作です。





2013_0522_050312AA.jpg漆工芸に必要なのは、筆だけではありません。銀やや貝を打ち抜く道具も必要です。この右の道具は本当に様々な形のものがあります。












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先端はこんな感じになっています。物差しのメモリをみれば、どんなに繊細なお仕事をされているか分かりますよね。













いよいよ制作行程の説明です。
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漆のことには全く素人の私達にも分かりやすく説明していただきました。漆というのは、本当に根気がいる制作だと改めて感じました。作品完成まで、3ヶ月から半年さらにはそれ以上かかることもあるという気の長い作業です。そして、とても細かい繊細な作業です。










橋本氏の作品説明です。
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この作品は、丸太をくり抜いて制作したそうです。作品制作時に建築事務所で働いていた知識や経験が役立ったそうです。

TIGAの多くの学生もここに来る前のバックグラウンドは様々です。ガラスの分野以外で経験したことが、実はガラスを制作する上でとても大切なことなのかもしれません。







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私は、個人的にこの作品が見たくてしょうがありません。橋本氏がこの作品の制作をしていた時に、この虫の標本を横において制作していたそうです。脚の一本一本が節ごとに盛り上がり重なりあっているそうです。スライドの写真だけでこれだけ引込まれてしまう作品が、本物がどれだけ緻密なものなのか実際に見たいです。







漆工芸というと敷居の高く、見るのに知識がいると思われがちですが、漆の知識がない私達にも大変分かりやすく漆についてレクチャーしてくださいました。漆の素材や制作行程以外にも漆の歴史的背景も織り交ぜて話してくださり、漆という素材に興味が湧きました。さらに橋本氏自身のどのように漆工芸作家になったのか、現在どのように漆工芸と向き合っているかなどガラスと漆という素材は違いますが、橋本氏の言葉はとても心に響くものでした。みなさんには橋本氏の言葉がどのように届いたでしょうか。

*上記の橋本氏の作品は、スライドに映し出されたものの作品の写真です。本物とは色の鮮やかさがまるで違います。ご興味のある方は、橋本氏のホームページをご覧下さい。

(R)

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4月に今年度の授業が始まって、もう1ヶ月。
この春から入学してきた、1年生達もそろそろ学校になれてきたのではないでしょうか。

今日は、そんな1年生の授業風景を少しご紹介したいと思います。

今回ご紹介するのは、造形科1年生のコールドの授業風景。
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コールドの授業は、溶けたガラスではなく、皆さんが普段お使いになられている硬いガラスを削ったり、
磨いたりする事を学ぶ授業。江戸切子なんかもコールドワークになります。
そして先生は、チェコから来られたスタニスラフ先生!

コールドの授業は大体いつも先生によるデモンストレーションから始まります。
みんな、先生の繊細な技術に目が釘付けです。
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自分の思う通りの加工が出来るようになるには、自分の手を動かし練習するのはもちろんですが、
見て覚えるのも同じ位大切な事。
細かい動きまで見逃さないように、みんな必死です。
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研究所に来て1ヶ月。
みんな、まだまだ分からない事だらけだと思うけど、とにかく2年間ガラスを思いっきり楽しんでもらいたいです。
みんな頑張ろーー!!(G)

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2011年3月以前のブログは旧ブログ「富山ガラス造形研究所の日々」(エキサイトブログ)でご覧いただくことが出来ます。

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